手軽に遊べる環境
プラット フォーム | 発売日 | 価格 | 補足 |
---|---|---|---|
PS4 | 2016/12/15 | 838円 | アケアカNEOGEO |
Xbox One | 2017/3/23 | 840円 | アケアカNEOGEO |
Windows10 | 2017/3/23 | 842円 | アケアカNEOGEO |
Nintendo Switch | 2017/4/20 | 838円 | アケアカNEOGEO ※本サイトにおける プレイ環境です。 |
懐かしおじさん解説
正式タイトルは「餓狼伝説~宿命の闘い~」、ちなみに北米版タイトルは「Fatal Fury」。
その昔、Google翻訳だと「致命的な怒り」とステキ直訳をよくネタにされていたのだが本記事を執筆するにあたって改めて翻訳してみるとちゃんと「餓狼伝説」と日本訳が表示され、かなりショックを受けている。いや良いことなんだろうけども。
さて、まだ“100メガショック!ネ↑オ↑ジ↑オ↑!!”とか声高に叫ばれる以前の作品である本作。アーケード版の発売日は1991年11月となっている。
ちなみにアーケード版の容量は約65Mbit(約8.2Mbyte/NEOGEO作品全般的に言える事だが家庭用版と異なり海外版データも一緒に入っているためか、アーケード版の方が容量が大きい)。
本作の大ヒットにより、その後のSNKゲームのラインナップは対戦格闘ゲームが中心(100メガショック第一弾として龍虎の拳をリリース、立て続けに本作続編の餓狼伝説2もリリース、更にはサムライスピリッツetc…)となっていき、結果的にカプコンと並んで格闘ゲームの2大メーカーとなる礎となったとも言える格闘ゲーム史におけるターニングポイント的作品。
カプコンの初代ストリートファイター(1987年8月発売)のディレクター西山隆志さんが旧SNKへ移籍、ディレクターに就任して作られたためか、スト2と比較して対人戦よりもストーリー(CPU戦)に比重が置かれて作られており、いわゆる格闘ゲームというよりは格闘ゲームアクションといった方がしっくりくる作品。
発売日という意味では「スト2(1991年3月)」と「スト2ダッシュ(1992年4月)」の間に発売された作品であり、ゲームセンター(他にも当時はレンタルビデオ店・駄菓子屋・おもちゃ屋などにも1~4台くらい置かれていた)では両作品の台待ちにやるゲームというイメージが個人的にはあった。
ただ、当時(1990~2000年前半くらい)はゲームセンターの治安自体も大変よろしくなく非常にバイオレンス治外法権ヤンキー党一党独裁体制だった。
そのせいもあってか、各小中学校ではそもそもゲームセンター自体を校則として出入り禁止にしているところもあり、実際ゲーセンではヤンチャな子達からのリアルふっとばし攻撃・リアル飛び道具(灰皿や椅子)からうまく逃れることに加え、補導員という名の殺戮兵器からも身を隠さねばならない時代背景だったため、MVS筐体1台だけポツンと置かれている小さな駄菓子屋等で本作を遊ぶ行為は、戦時中に非武装の一般市民が核シェルターへ避難するが如く安全な行動だったりもしたのである。
加えて地方(田舎の子だったので都会の実情は知らない)においては対人戦ブームも爆発的人気になるギリギリ手前であり、当時みんなの憧れスト2ダッシュもまだCPU戦をやる人が多く”プレイ可能時間<<<<<<「行列×他人一人当たりのプレイ時間の長さ」”が常であったこと、本作におけるCPU戦の難易度も後のSNK超反応といわれるほど高くなく、一党独裁国家における低ヒエラルキー層だった少年達(俺)の心を掴むには充分な材料が揃っていたのである。多分。
作風と大きな特徴
対戦というよりも対戦型アクションゲームという部分が大きかったからか、ストーリー性を重視しようとしていた感が個人的に伝わってくる。
後(餓狼伝説スペシャル辺りで)に空前絶後の超爆売れ人気シリーズとなり、それに伴うかのようにストーリーがドンドンと肉付けされて壮大になっていくのではあるが、その礎となった作品としてやはり本作が持つバックボーンとしてのキャラクターの魅力(特にテリー、ギースなど)や、復習をテーマにしたストーリーというものが大きいのではないだろうか。
さて、本作の大きな特徴として格ゲー業界初のライン移動(+ライン飛ばし)がある。
自キャラはライン移動出来ないのにCPUキャラはバンバン使ってくる辺り、後の餓狼伝説スペシャル対戦ガチ勢における暗黙ルール「ライン移動は自発的に行わない」ことへの練習にさせようとしたのかもしれない。違うと思うけど可能性として。
またこちらもおそらく格闘ゲーム史上初となるドラマティックバトル搭載(プレイヤー2名 vs CPU1名)というのも忘れてはならない。でもドラマティックバトルに関しては餓狼伝説2以降、二度と搭載されることはなかったため忘れても良いのかもしれない。
ちなみにカプコンのストリートファイターZEROシリーズも隠し要素により「プレイヤー×2 vs ベガとか豪鬼とか何かそういうの」というドラマティックバトルが用意されているが、あくまでも格闘ゲーム史におけるドラマティックバトルのパイオニアは初代餓狼伝説なのである。
ということで後発の格闘ゲーム比較すると、乱入の概念が若干特殊であるため、以下にざっと解説。
続編(餓狼伝説2)との比較
正直まったく別物と言っていいゲームに変化しているので比較する意味があるのかは甚だ疑問ではあるものの「餓狼伝説2はちょっと触ったよ、スペシャルはめっちゃやった!」という方もそれなりに多いかと思われるので若干強引ではあるが、相違点を箇条書きした。
基本解説
操作一覧&結構作りこまれてた仕様
以下、ノスタルジックな気分に浸りたい方用のインストラクションデモの動画&基本操作の一覧。
本作では後のシリーズでは当たり前であった「ライン飛ばし攻撃」などの細かい操作方法などが全く解説されておらず、補足欄にその概要を記載すると同時にさらに細かい説明を別項目を設けて解説してあるので、ご興味のある方は是非さらに読み進めて頂くと幸いでございます。※但し当サイト独自の調査結果が多分に含まれるため異なったらごめんなさい。
動作名称 | 操作方法 | 補足 |
---|---|---|
立ちガード | 攻撃に対し「←」入力 | 下段属性攻撃はガード不可 |
スウェー動作 | 攻撃に対し「←」入力 | 操作は立ちガードと同じ |
屈みガード | 攻撃に対し「↙」入力 | 中段属性攻撃はガード不可 |
ジャンプ | レバー上要素に入力 | |
立パンチ | A | モーションは全6種類 |
立キック | B | モーションは全3種類 ※内部的には計6種類 |
屈パンチ | レバー下要素中にA | 立ちと異なり1種類 |
屈キック | レバー下要素中にB | 立ちと異なり1種類 |
投げ | 相手付近で→+C | レバー「→」入力必須 |
ライン 飛ばし攻撃 | 詳細は別途解説 | ・相手を別ラインへ飛ばす ・手前/奥でモーションは同じ |
ライン移動 攻撃 | 相手と別ライン時 A or B | ・中段判定(屈ガード不可) ・餓狼2以降と異なり1種類 ・手前/奥でダメージが異なる |
ライン移動 ジャンプ | 以下条件時に レバー上要素入力 – 手前ライン:自分 – 奥ライン:相手 | 「↖」「↑」「↗」で微調整可 ※餓狼2以降は廃止 |
ライン移動 転がり | 以下条件時に レバー下要素入力 – 手前ライン:相手 – 奥ライン:自分 | 位置調整不可 |
立ち攻撃の距離の概念
3種類の距離別(近・中・遠距離)の攻撃モーションが設定されている。
さらに各距離毎に2種類ずつ技モーション(本サイトでは1段階目、2段階目と表記する)が用意されており合計6種類の技が存在している。但し、キックに関しては1段階目と2段階目でモーションが全く同じ(ダメージ・スコアは異なる)であるため、”攻撃モーションの種類”という意味ではキックは3種類となる。
テリーを例として、以下にパンチ・キック毎の距離別モーションを一覧としたので以下をご参考に。
※テリーのその他の攻撃、アンディ・ジョーの攻撃モーションなどについては、スコアやダメージを含めてキャラ別ページを設けてあるためそちらをご参照されたし。
なお、1/2段階目を変化させる条件として、内部的に距離別立ち攻撃のヒット回数カウンタが存在していると推測される。
以下、詳細をテキスト、概要を動画で解説。
ライン飛ばし攻撃
遠距離攻撃(パンチ、キックどちらも)の2段階目に設定されている。
仕組みさえ分ってしまえば狙って出すことは可能ではあるが、当然ながらCPU/対戦ともに相手側も動くため、遠距離立ち技に限定して技を出すというのは極めて難しいというのが現実。なお、パンチ版ライン飛ばし攻撃は専用グラフィックが用意されているが、キック版は遠距離の1段階目と同じモーションであるため空振りやガード時に見分けるのであればパンチ版でのみ可能ということになる。
実践で狙うのは非常に困難ではあるが、仕込み(カウンタを全て”2”にする)さえしっかりすれば1ラウンド中に4連続でライン飛ばし攻撃を出すことももちろん可能。以下に仕込みが完了した状態の内部カウンタ表の状態と、「そこに至るまでのメカニズムを解説+実際にライン飛ばし攻撃を4回連続で出している動画」を掲載。
スウェー動作
演出的な効果が非常に強く、餓狼伝説シリーズでも本作限り・・・と記事を書きながらふと思ったが、初期KOFシリーズの「攻撃避け」や、餓狼伝説3の「クイックスウェー」がもしかしたら後継ムーブとして発展(?)しているかもしれないと思われるご先祖様的な動作。いや本当のところは知らんけど。
出し方は相手の特定立ち攻撃(パンチ、キック問わず)に対して、立ちガード操作を行うと自動的に専用の避けモーションが出るというお手軽操作なので早々にマスターしてライバルに差をつけよう。つかないと思うけど。
対象キャラ | スウェー発生対象技 |
---|---|
テリー | 遠距離A、中距離A、中距離B |
アンディ | 遠距離A、中距離A、遠距離B |
ジョー | なし |
スウェー動作時、ヒット/ガードともに発生しないため当然ながら「ヒットバック・ガードバック」も発生しない。よって、基本的には演出用のものとして設定されていると推測される。但し、動画内においても少し触れているがテリーとアンディはスウェー動作を利用した立ちガード不能攻撃を出すことが可能である。特にアンディは実用的。
なお、同じ距離でジャンプ攻撃・屈み攻撃・必殺技などを出されると普通にガードモーションを取る。距離関係なく意図的に発生させられれば、飛び道具や突進技をスカしたりの読み合いが発生して面白かったのではないかと思いを馳せると、やはり初期KOFシリーズの「攻撃避け」や餓狼伝説3の「クイックスウェー」は(以下無限ループ)
プレイヤーキャラ共通小ネタTips
ジャンプキャンセル必殺技
空ジャンプ中(空中通常技を出していない)状態に限り、一定の高度で必殺技コマンドを入力すると、地上に突如ワープして必殺技を出すことが可能。
これはレバー上方向に入る必殺技(「↓↘→↗+A」など)について、失敗するとジャンプが暴発してしまう点への予防措置的に組み込まれた(らしい)ものを利用したテクニック。
そのためジャンプキャンセル可能な技と不可能な技が存在する。
また、垂直ジャンプ(恐らくライジングタックル「↓溜め↑+A」暴発対策用)をキャンセルすることも当然(?)可能であり、垂直ジャンプキャンセルハリケーンアッパーなど出来るが、斜めジャンプと比較してかなりキャンセル可能なジャンプ高度が低いうえに、成立させるためにそれなりの入力制度(↑即ニュートラル←↙↓↘→+A)と速度が両立しなければならず、メリットがほぼ無いにも関わらず無駄な努力それなりの頑張りが求められる。
対象キャラ | ジャンプキャンセル可能な必殺技 |
---|---|
テリー | ライジングタックル、クラックシュート |
アンディ | 全て(斬影拳、空破弾、昇龍弾、飛翔拳) |
ジョー | スラッシュキック、タイガーキック、ハリケーンアッパー |
通常技空キャンセル必殺技
通常技がヒット or ガードされた場合、連続技が存在しないこともあるためかキャンセル必殺技は不可能となっている。
但し、実は通常技モーションの空振りに限り動作をキャンセルして必殺技を出すことが可能(キャンセル可能時間の猶予も広く、タイミングによっては下記アンディのようなバグ小ネタもあったりする)。
この仕組み自体はジャンプキャンセルと同様、必殺技を出しやすくするために設けられたものだと推測される。
CPU戦ネタTips
背面専用攻撃(ドラマティックバトルのみ)
ドラマティックバトル(1P&2P vs CPU)において、恐らく1ラインステージの敵キャラクター限定(マイケルマックス、ホアジャイ、ビリーの3キャラ)は背面のプレイヤーを攻撃するため専用の攻撃が存在する模様。
なお、現状確認出来ている限りではあるのでもしかすると他のキャラクターにも存在するかもしれないし、しないかもしれない。(多分、リチャードの「天井捕まり足バタバタ(正式名称不明)」や、タン先生の「旋風剛拳的回転攻撃(正式名称不明)」が該当するのではないかと思っているがそうではないのかもしれないしそうかもしれない)
たのしいあてみ
本ゲームでのギースは当て身投げが2種類存在する。
と言っても、上段・中段のような後の作品のような種別ではなく「現在の格闘ゲームにおける一般的な当て身投げ」と「プレイヤーが近くに居ればどんな状態であろうと無理やり投げる強制コマンド投げ」の2種類となっている。ちなみに後者の「CPUラスボス特権発動投げ」は奥ラインだと出せない(出さない?)模様。
「空ジャンプから投げ」という本作特有のCPU戦攻略黄金パターンを仕掛けたのに空ジャンプを投げられた!というケースは後者の方を食らっている。
愉快な森羅万象
以下、色々とおもしろい事になっているCPUだったり背景の一部を掲載。(その他に面白いのあれば教えてください!)
痙攣キング
普通にアーケード・家庭用(AESやNEOGEO CD等)で遊ぶ分には不可能だが、色々ウミャウミャやるとCPU専用キャラを使用することも可能。
なお、CPU専用キャラなので当然だが各キャラのステージに応じた攻撃が用意されているキャラは別ステージでその専用技を使用するとおかしな挙動になることがある。
ダックキングのヘッドスピンアタックは相手にヒットorガードした際には必ず別ラインへ移動するのだが、以下の動画のように1ラインステージ(マイケルマックス/ホアジャイ/ビリーカーン)で使用するととても愉快な事になるのでご覧くださいませ。by 動画提供:にゃんてむさん(@majinemui7638)
未使用投げ動作
本作のロムデータ内を解析すると、CPUキャラクター専用の未使用投げ動作が複数存在している。
以下、それらの画像データをご紹介。
どうせなら使ってしまえシー・ピー・ユー
色々ウミャウミャやるのが好きなにゃんてむさん(@majinemui7638)がまた動画を提供してくださったのでご紹介。(毎度ありがとうございます!)
なんと全CPUキャラを使用して本作をクリアしている動画。
しかもご丁寧に各キャラ、前述でご紹介した投げを1回以上使用しているため、投げの確認も出来てしまう。あと最後のオマケコーナーでギースの当身その2(相手がどんな状態でも投げる技)でホアジャイとビリーに酷いことをしているコーナーもあるので、ご興味ある方は是非ご覧くださいませ。
餓狼伝説の図書館
開発の裏話etc
sibdbさんからご提供いただけた、開発の裏話とキャラクターラフ画像。これも資料としてかなり貴重かと思うので本項目にて閲覧出来る状態にしておきます。
インストカード(日本/海外版)
ラッキーな事にMVS版(いわゆるゲーセン版NEOGEO)のインストラクションカードをにゃんてぃむ(@majinemui7638)さんからご提供いただけたので、本項目にて閲覧出来る状態にしておきます。
にゃんてぃむさんいつもありがとうございます!
キャラボイス集(サントラ未収録分含む)
これまたにゃんてぃむ(@majinemui7638)さんのYouTubeチャンネルからご拝借。
以下、にゃんてぃむさんのYouTubeチャンネルの概要欄より説明文を引用。
今回はなかなか珍しい餓狼伝説-宿命の闘い(餓狼1)のキャラクターボイス集を作ってみました! 他のシリーズと違いなかなか聴く機会が無いと思うのでまとめてみました!
メガドライブ版移植パッケージ
折りしも格ゲーブーム到来と相成って、本作もスーパーファミコン(通称:タカラ餓狼)や、メガドライブなど当時の現役家庭用機にバシバシと移植された。
そして、メガドライブ版のソフトパッケージ絵があの新世紀エヴァンゲリオン(あとはふしぎの海のナディア)のキャラクターデザインを担当されていた貞本義行氏なのは有名なお話。
しかもエヴァンゲリオンはTV放映前だったのでSNKはやはり時代の先を行き過ぎるのである。さすが。
以下、当時のパッケージイラストを掲載。(※問題あれば消します)
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